住宅購入費用の考察

住宅ローンの低金利は実は危険?破産したくないなら知るべき金利の話

住宅ローンの金利が低いと家を購入しやすくなります。私たちにとってはとても良い状態と感じてしまいますが本当にそうなのでしょうか?

実は、金利が低いといっても全てが良いことだらけなわけではありません。金利が低いことによって引き起こされる問題もあるのです。今回はその問題について少しお話をしたいと思います。

スポンサーリンク

低金利の時に家を買うのは失敗の元?

住宅ローンの金利が低い今は絶好の家の購入タイミングと言われています。

確かに金利が低ければ、たくさんの金額を借りても月々の返済額も低く、家を購入してもそれほど生活が苦しくならないというメリットがあります。

しかし、次の3つのことを忘れてしまうと借入に失敗して破産につながる恐れもあるので注意が必要です。

#1.変動金利は将来金利が高くなる可能性が高い

変動金利は固定金利に比べ金利は安く、ここ10年くらいずっと低金利状態が続いています。
10年前に同じ金額の住宅ローンを組んだとして、固定金利で借りた人と変動金利で借りた人では変動金利で借りた人の方が支払額が少なく済んでいます。

でも、それだからといってこれからも変動金利で大丈夫なのでしょうか?

私はそうは思いません。理由は、金利はいつ上昇するか分からないからです。ここ10年間は結果として金利が低い状態のままだったのですが、それはあくまで結果です。これから先、ずっと低金利状態が続く保証はないのです。

今は金利が低すぎる状態であり、この先金利は上昇することはあっても下落することはないとも言われています。そういう状態で変動金利で借り続けるのは、多額の返済を受け入れていることに等しくとても危険だと思います。

では、固定金利なら大丈夫なのか?

実はそうではありません。35年固定以外は、固定金利も実は変動金利の一種だからです。3年、5年、10年などの長期固定金利は、固定年数が経過すれば金利が見直されるという点では変動金利ですよね。

固定年数経過後の見直しで高い利率の住宅ローンに変わってしまう可能性があることは気に留めておかなくてはいけません。

2.変動金利から固定金利には変えれない?

「固定金利だと月々の返済額が高くなって生活が苦しくなるから、とりあえず変動金利で借りて、金利が上昇してきたら固定金利に変えよう」

そんな甘いことを考えていませんか?

私が思うに、それは相当の覚悟がないとできないと思います。その理由は、金利の上昇の順番です。

固定金利の利率は変動金利よりも早く上がります。変動金利で借入をしている人が、金利の上昇で生活が苦しくなり、固定金利に切り替えようとしても、その時の固定金利の利率は変動金利の遥かに上なのです。

つまり、変動金利でも生活が苦しい人が固定金利に変えたら、更に生活が圧迫されるということです。そんな状態で固定金利に変えれるでしょうか?

例えば、変動金利で借入れているとして、月の支払いが8万円だったのに、金利の上昇でいつの間にか10万円になってしまったとします。

そろそろ生活が危ないと思い、銀行へ行き、固定金利に変えようとしたら固定金利の利率では、月々の支払いが12万円になると言われました。

10万円でも生活が苦しいのに、さらに2万円を余分に払わないといけなくなるのです。この決断をあなたはできますか?

おそらくそういう状況になったらこう考えるのではないでしょうか?

「これまではずっと低金利状態が続いていた。もしかしたら1年後はまた金利が下がるかもしれない。そうすればまた生活は元に戻る。今だけの辛抱だ!」

余裕がなくなるとこのような希望的観測が出てきてしまい状況がさらにひどくなっていきます。

将来の金利の上昇を予想して固定金利に変えるというのはとても難しいです。結局、判断が遅れてしまい、変動金利から固定金利に変えようとしてもタイミングを逃して借り換えできない可能性が高くなります。

そうならないためにも、変動金利で借りるなら余裕がある額で借りるか、それが無理なら最初から長期固定金利を選択しておくべきでしょう。

3.お金を借りすぎてしまう可能性が高い

金利が低いということは、借入額を多くしても月々の返済額が少なく済むということです。そうすると、どうしても家の購入金額が大きくなり、借入額が多くなる傾向があります。

「月額○万円の支払いなら生活できるから大丈夫」

今の金利だけを見てそんなことを考えていませんか?

金利が低いときに借入額が大きくなってしまうと将来金利が上がったときに家計がパンクする可能性が高くなってしまいます。

例えば、

借入額 :3000万円
金利  :0.8%(ボーナス返済なし)
期間  :35年
月返済額:81,918円

この条件で計算すると、月額で8万1918円の返済となります。しかし、これを金利2%、3%にすると

借入額 :3000万円
金利  :2%(ボーナス返済なし)
期間  :35年
月返済額:99,379円

借入額 :3000万円
金利  :3%(ボーナス返済なし)
期間  :35年
月返済額:115,455円

このような結果になります。3%になったときは、月額で3万円以上も支払額が多くなるのです。もし、低金利で借りた時に生活がギリギリだったとして、これだけ金利が上がっても返済していけるでしょうか?

上でも書きましたが、変動金利の金利が上がった時、固定金利は更に上の金利になっています。将来は誰にもわかりません。将来金利が上がることを考慮した上で借入額を決めるようにしてくださいね。

低金利の住宅ローンで失敗しない為に

住宅関連のチラシを見ると、低金利だから今がチャンスとばかりに都合の良い返済プランを提示して家を買わせようとしている気がします。

しかし、本当に低金利の今、多額の借り入れをしてまで高価な家をもつ必要はあるのでしょうか。それよりも低金利の今がチャンスと思って、お金をしっかり貯めて生活に余裕を持つべきだと思います。そっちの方が立派な家を持つよりも幸せになれると思いますよ。

金利が安いということはいっぱい借りれるということではなく、生活を楽にするチャンスをもらっていると考えてみてはどうでしょうか。

金利が安い今は、生活に余裕を持ちながら家を買えるチャンスだと思います。決して高価な家を買うためのチャンスではありません。そのことは忘れないようにするべきだと思います。

磐田 隆行

住宅ローンアドバイザー、FP3級。 家を建てた時、家作りの難しさを体感。自分の失敗や経験を元に家作りに必要な情報をお届けしたいと思いブログを立ち上げました。特に資金計画の難しさを実感したので住宅ローンアドバイザーの資格を取得。今もなお勉強中です。

-住宅購入費用の考察
-

© 2024 Mの家作り研究所 Powered by AFFINGER5