住宅購入費用の考察

同じ銀行での借り換えは可能?私が返済途中で金利を下げれた理由とは

住宅ローンを借入時よりも今の方が金利が低い。そんなときに考えるのが借り換えです。
しかし、借り換えには事前審査や給料振込口座の変更など色々と面倒が多いですよね。

そこで誰もが一度は思いつくのが同じ銀行内の借り換えだと思います。
今回は同じ銀行内の借り換えに関する話です。

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同じ銀行内の借り換えは可能なのか?

同じ銀行内の借り換えはできるのか?
この答えはNOです。基本的にできません。
変動金利から固定金利への変更は大丈夫ですが、基本的には固定金利はその期間が終了するまではプラン変更はできません。

ただ、これは法律などで決まっていることではないため、銀行側が了承すれば例外的にプランを変更してもらえることもあります。
例えば10年固定金利から変動金利にしたり固定金利の金利を下げてくれることもあります。
もちろん断られる可能性も大いにあります。
仮にこれを簡単に許していたら、金利が下降局面でこんな感じのことができてしまいます。

  1. 2010年(借入時):10年固定 金利 2.0%

    10年以内に金利が上昇に転じると予想。
    リスクに備え10年固定2.0%で借り入れ。

  2. 2015年(5年経過):5年固定 金利 0.9%

    予想とは裏腹に借り入れから5年で金利が大きく下落。
    そこで同一銀行で5年固定金利に変更。残り5年を維持して金利を0.9%と大幅に下げた。

  3. 2017年(7年経過):変動金利 0.4%

    2年後、更に金利が下落。
    借り始めから10年までの残り3年。当初は10年後に変動金利に変わる予定だったので、どうせなら今から変動金利にして 0.4%の安い金利の恩恵を受けよう!

このフローで行っていることは、金利上昇局面なら10年固定金利のまま過ごし、金利の下降局面ならプランを変更してのときに合わせた最適な金利にするということです。

ただ、こんなプラン変更はもちろん銀行が許してくれないでしょう。
その理由は金利に対するリスクにあります。

金利に対するリスクとは?

変動金利と固定金利の違いは、銀行と私たち、どちらが金利の変動に対するリスクを背負うかという点にあります。

リスクの担い手
変動金利 借り手(私たち)
固定金利 貸し手(銀行)

変動金利ならば私たち、固定金利ならば銀行となります。

仮にこのプラン変更が簡単に許されたら、私たちは金利が下がったらプランを変更すれば良いことになり、金利の変動に対するリスクはすべて銀行が背負うことになってしまいます。

私たちは住宅ローンがあることで家を買うことができ、銀行は住宅ローンがあることで金利から利益をあげることができています。6
銀行も私たちも双方がWin-Winの関係にあるべきです。
だから、仮にこんなことが許されるとしてもやるべきではないでしょう。

  • 住宅ローンは双方がWin-Winであることが大事!

住宅ローンのプラン変更が許される時とは?

でも、条件によってはこの同じ銀行内の借り換えとも思えるプラン変更が許されることもあります。それはどんな時でしょうか?

それは、銀行側からプランを提示してきてくれた時です。
「そんなことあるの?」
と思いますが、これが実際にあります。
私も実際に提案を受けました。

住宅ローンのプラン変更、私の例

私は、住宅ローンを借りた銀行から付き合いで定期預金をしていました。
1年預けても10円増えるからどうかの定期預金ですが、どことなく断り辛かったので付き合いでやることにしました。

借入から3年経った時、定期預金の満期に合わせて担当の銀行員の方からこんな提案をしてきてくれました。

「今年まではエコハウス割引で住宅ローンの金利がマイナス0.3%でしたが、それが今月で終わります。来月からは金利が0.3%も上がってしまいます。今は15年固定金利の1.6%なので、それを10年固定金利の1.1%にしたらどうですか?」

「えっ?そんなことできるの?」

固定金利のプラン変更は不可能だと思っていたのでかなりの驚きでした。

なぜプラン変更を勧めてきたのか?

こんな提案をもらったのにはわけがあります。
私は3年間、定期預金をやっていたのですが、利子もほぼゼロなので今年はそのお金を株式投資に回そうと考えていました。

定期預金の継続を勧めらた時に、計らずとも渋った感じの対応をしてしまったので引き止めるための提案だったのかもしれません。

ダメ元で金利の交渉もしてみた

そんなわけでプラン見直しの権利を得たのですが、そうなるとどうしても欲が出てしまいます。

私が提案されたプランは10年固定金利1.1%だったのですが、対抗先の銀行の10年固定金利を調べると0.3%も安い0.8%だと分かりました。

そこで、借入先の銀行にその0.3%を安くしてもらえないか交渉をしてみることにしました。

結果はみごと交渉成立です。
0.3%まではいきませんでしたが、0.2%なら下げてくれることになりました。

さらにプラン変更だけなので高額な借り換え手数料も不要ということでした。
そんなわけで私は住宅ローンのプラン変更によって、高額な手数料も無く金利を1.6%から0.9%に落とすことができたのです。

なぜ住宅ローンのプラン変更ができたのか?

私が住宅ローンのプラン変更と値下げ交渉に成功したのは、いくつかの要因があったと思います。
以下が私が考える理由です。

  1. 無理にお願いしなかった
  2. 長期固定の住宅ローンを組んでいた
  3. 地方の小さな銀行であった
  4. 銀行とのつながりを維持していた

もう少し詳しくお話しします。

#1.無理にお願いしなかった

銀行員もやはり人間です。
上から目線の物言いをされたら気分も悪くなります。

よく金利の値下げ交渉では、借り換えを辞さない強気な姿勢が大事とありますが、それは半分脅迫みたいなものです。

今回、私はあまり期待もしていなかったので金利の交渉をした時、そういう雰囲気は全く出しませんでした。
ダメならしょうがないけど、とりあえず聞いてみるくらいの姿勢でお願いしたのが良かったのかもしれません。

#2.長期固定の住宅ローンを組んでいた

次の要因は、住宅ローンの借入時に15年固定金利という長期のローンを組んでいたことです。

これがもし10年固定金利で初めから借りていたら、今回の提案はなかったと思います。

リスクを回避して長期固定金利にしているのに短期固定金利や変動金利への変更を勧めるのはナンセンスです。

多くの人が利用している10年固定金利で割安になるプランがあったことが提案をもらえた要因だったと思います。

#3.地方の小さな銀行であった

大手の都市銀行ではなかったことも大きな要因だと思います。

これはあくまで私の勝手なイメージですが、大手の都市銀行は融通が効かない気がします。
大きな組織なので、取引先も大きな会社が多いだろうし、私くらいの預金額では動いてくれないのでしょう。
あと、利用している人も多いので安易にプラン変更や値下げの前例を作りたくないのかもしれません。

とにかく、地方銀行や信用金庫の方が何かと融通が利く気がします。
大手の都市銀行よりも個人の顧客を大事にしてくれている気がします。

金利の交渉も含めて借り換えを検討するなら地方銀行や信用金庫の方が交渉しやすいでしょう。

#4.銀行とのつながりを維持していた

特に意識していたわけではありませんが、私は住宅ローンを借りたときから定期預金を続けていました。
それにより年に一度ではありますが、銀行員の方と話す機会があり、それによって今回の提案をいただくことができました。

よく会社は銀行とのつながりが大事という話を聞きますが、会社のみならず個人でも銀行との繋がりはとても役に立ちます。
あなたも銀行とのつながりがあるならそれは大事にした方が絶対に得です。

お互いにWin-Winの関係が大事

今回の件を通して私は金利を安くしてもらうことができました。
銀行としては、年20万円程度ではありますが、私から定期預金を得ることができました。
少額ではありますが銀行としてはそれを運用して利益を得られるのでお互いにWin-Winの取引なわけです。

あくまで大事なのはWin-Winの関係です。
突然銀行に行って金利下げてくれと言うのは絶対にするべきではありませんよ。

住宅ローンの借り換えはとても面倒でお金もかかるし時間もかかります。
しかし、相手からの提案のプラン変更ならばその手間はすべてなくなります。

あなたがこれから住宅ローンを借りる、または借り換えるなら、銀行との繋がりのことも考えて銀行選びをするよい選択ができると思いますよ。

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磐田 隆行

住宅ローンアドバイザー、FP3級。 家を建てた時、家作りの難しさを体感。自分の失敗や経験を元に家作りに必要な情報をお届けしたいと思いブログを立ち上げました。特に資金計画の難しさを実感したので住宅ローンアドバイザーの資格を取得。今もなお勉強中です。

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